目次
- 1 生物学からヒトの老いと死について考える
- 2 コホート研究から健康長寿の鍵を紐解く
- 3 ミトコンドリア研究から老化制御の実学創造/ミトコンドリア先制医療
- 4 Inflammagingから老化に迫る
- 5 老化を予測・制御する最先端研究
- 6 女性医療における脂質代謝異常管理 ~女性ホルモン・酸化ストレス・脂質代謝に注目~
- 7 治療ワクチン開発から老化研究実用化に向けて
- 8 ストレスによるゲノム・エピゲノムの不安定性と老化
- 9 心血管老化研究の最前線 共催:日本血管生物医学会
- 10 女性の加齢と骨代謝
- 11 抗加齢医療を目指した考える食と栄養
- 12 “Fatty”はダメ?!:脂肪性肝疾患の最前線 共催:日本肝臓学会
- 13 口腔から攻める脳のアンチエイジング戦略
- 14 120年を目指して健康寿命延伸の知恵 基礎から実践まで
- 15 サルコペニア・ロコモーティブシンドロームの最前線
生物学からヒトの老いと死について考える
生物学からヒトの老いと死について考える
小林武彦
(東京大学 定量生命科学研究所 附属生命動態研究センター 教授)
こよみ年齢の考え方から、生物学的年齢へ
老化は疾患
慢性炎症=老化
コホート研究から健康長寿の鍵を紐解く
地域認知症コホート研究:久山町研究における最近の知見
二宮利治
(九州大学大学院 医学研究院 衛生・公衆衛生学分野 教授、九州大学大学院医学研究院附属総合コホートセンター・教授)
・認知症:40歳からアミロイドβ沈着
・脳の機能と目(網膜)の機能が比例している。
→目を検査することで認知機能を測定できるようになるだろう。
認知症患者:2020年 439万人
2050年 587万人予測
野菜摂取 400g/日、人とのコミュニケーションが大事
京丹後長寿研究でみえてきたフレイルリスクの解析
内藤裕二
(京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授)
フレイル:腸内細菌叢から予測できるようになる。
フレイルリスク高=睡眠の質が低い、運動不足、BMI高
フレイル群:魚肉少、豆・きのこ・根菜類少=食物繊維少(食物繊維=酪酸産生菌が増える正の相関あり)
非フレイル群:上記の逆
食物繊維を多く摂ると、死亡リスクが2割減る。
腸が変われば腸から若返る
肉はNG:魚肉(&鶏肉)が日本人に合うタンパク源。特にプラントベース(豆類)由来のタンパクが良い。
大規模ゲノムコホートを用いた文理融合型研究の加齢医学研究
松田文彦
(京都大学 医学研究科 附属ゲノム医学センター 疾患ゲノム疫学 教授)
魚摂取(オメガ3)と中性脂肪は正の相関あり
→抗動脈硬化作用
ミトコンドリア研究から老化制御の実学創造/ミトコンドリア先制医療
ミトコンドリアオートファジーと疾患・老化制御
神吉智丈
(九州大学大学院医学研究院細胞生理学分野 教授)
ミトコンドリア:脳は30日で、心臓は9日で半分が入れ替わる
ミトコンドリアがオートファジー化されないまま残ると、活性酸素が増加する。
加齢とともにミトコンドリアオートファジー能は低くなるが、マイトファジー能は維持もしくは高くなると思われる。
神経変性疾患におけるミトコンドリアおよび核の異常
松井秀彰
(新潟大学脳研究所 教授)
パーキンソン病:DNA核のゴミを処理できなく溜まっていって不具合が起きる状態
アルツハイマー病:アミロイドβが溜まって(マイクログリアがおなかいっぱいで処理できないくらい)、不具合が起きる状態
アルツハイマー病は遺伝要素が大きい。
ユビキチンシグナルによるミトコンドリア機能調節機構と抗加齢創薬
柳茂
(学習院大学 理学部 生命科学科 分子生化学 教授)
マイトルビン(ベルベリン由来)投与でミトコンドリアが増加し、心機能上がったり、精子の運動能が上がったりする。
マイトルビン投与で長生きするわけではないが、ミトコンドリアが増加するので、運動機能が上がる。=健康寿命が延びる?
ミトコンドリアには Fe2+ が重要成分。
ミトコンドリアは、ミトコンドリア内で発生した脂質ラジカルを小胞体に渡して、小胞体で消去している。
Inflammagingから老化に迫る
脳内炎症制御によるアルツハイマー病治療・予防法開発
富田泰輔
(東京大学大学院薬学系研究科機能病態学教室 教授)
タンパクの異常凝集が原因(アミロイドβ、タウなど)
アミロイドβが溜まってトリガーとなり、その結果生じるタウの異常な凝集が神経変性を起こしているだろう。=アルツハイマー病
遺伝子リスクが高い病気=マイクログリアの遺伝子
Gpr34の発現が加齢によって減る=Aβのクリアランス機能が下がる=マイクログリアM1の機能低下
Gpr34の発現を高めることが治療薬となる可能性高い。
M1は凝集体に集まって貪食する傾向にある。
M1は睡眠で制御される=クリアランス機能を高めることができる。
CD45発現を介した老化T細胞のミトコンドリア代謝抑制機構の解明
茶本健司
(京都大学 医学研究科 がん免疫PDT研究講座 特定教授)
加齢とともに免疫機能が老化=低下し、同時に全身性の炎症を引き起こす事が分かっている
免疫機能が低下=癌発症の監視ができなくなる
胸腺退縮にともない新しいT細胞ができなくなる→T細胞を分裂・増加させようとして、ミトコンドリア障害が起こる:メカニズムは未だ不明:T細胞分化の制御がミトコンドリア老化防止になる
CD28はミトコンドリア活性に重要
Aged T細胞のミトコンドリア活性は抑制されている
CD45阻害剤処理により老化T細胞のミトコンドリア活性が回復する
CD45阻害剤により老化T細胞の脂肪酸酸化活性化が向上する
加齢により、T細胞が分化しても機能が低い=癌を監視するT細胞が減っていく。ミトコンドリア活性が低い=疲弊した状態・慢性炎症が続き悪循環となる。=癌発症
百寿者研究から見たinflammaging
新井康通
(慶応義塾大学 看護医療学部 教授 健康マネジメント研究科 教授)
百寿者=健康寿命長い人:動脈硬化になりにくい。糖尿病がなりにくい=肥満少ない。認知機能が維持されている。フレイル発症が遅い。
=年代ごとで相対的に慢性炎症が低い
百寿者=アディポネクチン濃度が高い。インスリン抵抗性が低い。
アディポネクチン濃度が高いことは、遺伝的要因なし。
心臓・腎臓の循環血管システムの老化が寿命に影響を与えている。
遺伝の要素高い=テロメアが短くなりにくい=百寿者親族
老化=疲労=免疫機能低下=B細胞減少
老化を予測・制御する最先端研究
老化細胞を標的とした抗老化治療の開発
南野徹
(順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科 教授)
高脂肪食から普通食に改善するだけで、見た目健康体に戻るが、老化細胞の蓄積を改善できなかった=免疫系の活性化が十分できない
→抗老化ワクチン開発中:抗がん剤なども含まれているが、本件は免疫チェックポイントを介して行うため安全性高い
抗PD-1抗体を抗加齢療法として用いる場合、抗PD-1抗体の副作用(自己免疫疾患)を抑えるために、がん治療として用いられるよりも低容量・低頻度である方が良い。
加齢に伴う臓器線維化の分子基盤
中西真
(東京大学 医科学研究所 癌・細胞増殖部門 教授)
慢性炎症が老化の原因
抗PD-1抗体投与で、免疫細胞により老化細胞を除去できる。
繊維化が癌増殖促進に働く→繊維化部分を除去すると正常免疫細胞が集まって癌を除去する
加齢に伴い繊維化しやすい→繊維化を起こらないようにしていくのが大事
エピゲノム編集技術を用いた老化研究へのアプローチ
高橋悠太
(熊本大学国際先端医学研究機構)
生活習慣が悪い人でも、疾患の感受性は個人差がある。
一方、癌、糖尿病、心疾患など家族歴がある人は、疾患の感受性が高い。(遺伝で同様になりやすい。)
エピジェネティック修飾
シトシンのメチル化(異常遺伝子)
例)オランダ:第二次世界大戦時:生活習慣病の家族歴のない健康体の妊娠女性が飢餓を経験すると、その子、孫は生活習慣病を発症。高ストレスによる遺伝子のメチル化。
エピジェネティックな情報は通常引き継がれない(卵・精子でリセットされる)と考えられていたが、着床後に発現することがわかった。
→生活習慣病は子、孫に遺伝する。
女性医療における脂質代謝異常管理 ~女性ホルモン・酸化ストレス・脂質代謝に注目~
女性医療における脂質代謝異常管理 ~女性ホルモン・酸化ストレス・脂質代謝に注目~
篠原康一
(愛知医科大学 産婦人科 教授(特任))
閉経に伴い血管系疾患が増加する。:エストロゲン減少の影響による。
生殖年齢時に、高血圧、高血糖(糖尿病)などリスクがある人は、上記+子宮たい癌になりやすい。
閉経時にHRTを行う場合、経口の低用量ピルより、貼付薬の方が良い。:経口ピルだと肝臓を介して酸化ストレスが大きい。
閉経後の喫煙の影響が大きい。生活習慣も大事。
治療ワクチン開発から老化研究実用化に向けて
治療ワクチン開発から老化研究実用化に向けて
中神啓徳
(大阪大学大学院医学系研究科健康発達医学寄附講座 教授)
T細胞がワクチン抗体価の維持or減少に影響を与えている。:個体差がある
老化細胞が出している受容体に結びついて、老化細胞を除去するワクチンを開発している(南野先生)
老化細胞は炎症性物質(SASP)を放出していて、それが同じ老化細胞(ゾンビ細胞)を生み出している。
肺炎が直接的な死因となる例が多いが、前段階として心疾患、悪性新生物を持っている例がそれにつながっている。
つまり、後者を抑えることが、肺炎になっても延命できやすい状況になりうる。
そのため、現在は心疾患の老化細胞を除去するワクチンを研究開発している。
ストレスによるゲノム・エピゲノムの不安定性と老化
腫瘍免疫環境に影響を及ぼすDNA損傷応答を介した免疫リガンド発現調節機構
柴田淳史
(慶応義塾大学薬学部分子腫瘍薬学講座 教授)
放射線治療と免疫治療(抗PD-L1阻害剤)の併用の効果が高い。放射線治療後の癌細胞は壊れ、その間に免疫細胞が入っていって、がん細胞除去に働いていた。
しかし、癌細胞に入っていった免疫細胞(マクロファージをはじめ)は疲弊している状態だった。免疫細胞が働きやすい環境を整える必要あり。
癌細胞内に入った免疫細胞マクロファージ2万個中、5千個のマクロファージにPD-1が発現していた。
ストレスによるエピゲノム異常の蓄積と胃発癌リスク上昇
金田篤志
(千葉大学大学院医学研究院分子腫瘍学 教授)
アルコール・喫煙だけでは因子とならず、ピロリ菌感染があることが因子となっている。ピロリ菌があることで、DNAのメチル化が起こり、胃癌になる。
心血管老化研究の最前線 共催:日本血管生物医学会
血管内皮細胞老化と老化関連疾患の因果関係
池田宏二
(京都府立医科大学 長寿・地域疫学講座 教授)
人は血管と共に老いる
血管内皮老化マウスはインスリン抵抗性を示す。老化血管内日細胞は脂肪組織を老化させる。白色死亡では酸化ストレスが増大。→脂肪機能異常=糖代謝異常
動脈硬化進展。肺動脈の血管抵抗が増大し、脈圧が上昇する。
癌細胞の血行転移を抑制する。→老化細胞は動脈硬化・肺高血圧・脂肪機能と代謝疾患の病態を憎悪させるが、一方で、癌血行転移を抑制すると示唆された。
間質細胞と心血管疾患の関わり
加藤勝洋
(名古屋大学 循環器内科 助教 名古屋大学医学部附属病院)
心疾患に罹患した高齢者の7割は、心筋が弱くなっているのではなく、膨らむときの筋繊維のしなやかさが低下している。(繊維化して硬くなっている)
ケトン代謝と老化関連疾患
有馬勇一郎
(熊本大学 国際先端医学研究機構 特任准教授)
加齢によりケトン体が増える
ストレス耐性機構として出てくる
ケトン体合成を止めると、糖の取込がなくなり、脂肪が蓄積するし、心臓で脂肪酸利用を亢進する。
ケトン体合成が正常だと、脂肪の蓄積は起こらず、心臓の糖の取込・利用に働く
ケトン体合成不全では、肥満と高血圧により誘導される心肥大が憎悪する。
ケトン体代謝は、肝臓ー脂肪ー心臓における臓器連関を介して、メタボリックストレスに対する耐性機構として機能する。
何事も中庸が大事
心血管疾患における加齢同期
清水逸平
(国立循環器病研究センター 心不全・移植部門/ 心血管老化制御部 部長)
ケルセチンなどのポリフェノールの一種が老化細胞を除去するのがわかっている
女性の加齢と骨代謝
女性の加齢と骨代謝:更年期
倉林工
(新潟市民病院 産婦人科 産科部長、 患者総合支援センター長)
骨密度低下を防ぐために、HRT療法、サプリではエクオール、ビタミンE、ローヤルゼリーが良い。(食事・運動は基本)
カルシウム、ビタミンD、ビタミンK
体型が「やせ」だと骨粗鬆症・骨折のリスク高い
抗加齢医療を目指した考える食と栄養
食品由来の成分によるAGEsの抑制効果
松井孝憲
(福井県立大学 生物資源学部 准教授)
スルフォラファン、ケルセチンはAGEsのRAGEの結合を阻害する。酸化ストレスに対し保護的に作用する。血管内皮細胞の炎症反応を抑制する。繊維化を抑制する。
抗老化標的としてのNAD代謝
中川崇
(富山大学学術研究部医学系分子医科薬理学講座 教授)
NAD+は老化・加齢とともに低下する。骨格筋機能とも相関する。NAD+代謝の活性化が加齢性疾患に対する効果が期待される。
NMNの臨床試験(健常者):NMN経口投与は全血NADレベルを有意に上昇させた。:糖代謝・脂質代謝には変化が無かった。インスリン感受性の改善が見られた。しかし抗老化作用は認められなかった。
グアーガム分解物(水溶性食物繊維)の健康効果
中島孝哉
(中島こうやクリニック 院長)
水溶性食物線維摂取の有効性:短鎖脂肪酸産生、腸内環境改善、腸管バリア強化、抗炎症
メタボリックヘルスと寿命延長における摂取蛋白質の“量”と“質(蛋白源)”の意義
北田宗弘
(医療法人以心会 浜田メディカルクリニック 院長)
炭水化物制限より、タンパク質制限がカロリー制限と同等の寿命延長効果が見られた。
→タンパク質でも、どのアミノ酸かというと、メチオニンのみをターゲットとしたものだった。つまりメチオニンを除去したタンパク質制限食に意味があった。
メチオニン含有量:動物性タンパク質>植物性タンパク質
メチオニン制限食:エネルギー消費を増加、インスリン抵抗性・脂肪代謝・全身的な炎症を改善。メタボの肥満者において、脂肪酸酸化・肝臓内脂肪沈着量を改善。
逆に高メチオニン食は、急性冠動脈疾患の発症リスクが約2倍高い。
動物性タンパク質摂取を控え、植物性タンパク質食にすることで、腎保護・寿命延長・メタボリックヘルスにつながると考えられる。
“Fatty”はダメ?!:脂肪性肝疾患の最前線 共催:日本肝臓学会
この脂肪肝は危ない?脂肪性肝疾患の診断における最前線
今一義
(順天堂大学医学部消化器内科 先任准教授)
肥満者の飲酒は、標準体重者よりも肝硬変になりやすい。
脂肪性肝疾患が全身に及ぼす影響
高橋宏和
(佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター長・特任教授)
サルコペニアがある人:肝線維化の危険因子。肝臓免疫が下がり、肝硬変になりやすい。
日本人は遺伝子的に脂肪肝になると心血管疾患より、肝疾患になりやすい。
脂肪肝→線維化・動脈狭窄・動脈硬化、糖尿病腎症
代謝異常と中等量飲酒がMASLD患者の予後におよぼす影響
川口巧
(久留米大学医学部内科学講座 消化器内科部門 主任教授)
MASLD(非アルコール摂取=代謝異常)と中等度摂取者とでは、症状はあまり変わらない。アルコール摂取者は当然肝硬変になりやすいし、予後も悪い。
運動で改善が期待できる:有酸素運動・筋トレ(筋肉からマイオカイン産生)
肝炎情報センター:肝炎体操
https://www.kanen.ncgm.go.jp/gymnastics/gymnastics/kanen.taisou.html
口腔から攻める脳のアンチエイジング戦略
青斑核ニューロンの細胞変性がアルツハイマー病を誘引する可能性と咀嚼によるその緩和
豊田博紀
(大阪大学歯学研究科口腔生理学講座 准教授)
咀嚼することが認知機能の神経系に良い効果を与える
口腔の健康と脳老化の関連とその制御
松下健二
(大垣女子短期大学歯科衛生学科 学科長・教授)
咀嚼→脳血流改善→認知機能改善
柔い食事→血流悪くなる→認知症
心理的ストレス、老化を介した口腔-脳-腸連関の可能性- Clinic to Bench
安彦善裕
(北海道医療大学歯学部臨床口腔病理学分野 教授)
口腔ー脳ー腸 連関
口腔の悪玉菌(ジンジバリス菌)→腸内に届き、腸内細菌叢(善玉菌を低下させる)を変化させ、腸管タイトジャンクションを緩める
→腸が悪くなると、腸脳相関で脳機能に影響を与える
120年を目指して健康寿命延伸の知恵 基礎から実践まで
毛細血管の劣化による臓器・個体老化
高倉伸幸
(大阪大学 微生物研究所情報伝達分野 教授)
毛細血管の老化が臓器・個体の老化につながる
毛細血管の恒常性維持と内皮細胞のTie2活性化が重要
老廃物の回収:静脈の毛細血管8割、リンパ管2割
心不全・フレイルの予防・治療にサプリメントと漢方を活かす
桜田真己
(所沢ハートセンター 理事長)
多種類の薬を飲んでも効かなくなる人がいる。→サプリや漢方が効果的。
アスタキサンチン、CoQ10 効果あり。飲用やめると元の症状に戻る。再度投与すると改善する。
漢方も効果あり。
健康寿命延伸における血管・リンパ管制御の意義と治療の可能性
渡部徹郎
(東京医科歯科大学(TMDU) 大学院 医歯学総合研究科 病態生化学分野 教授)
老廃物の回収:静脈の毛細血管9割、リンパ管1割
老化とともにリンパ管も老化し、回収機能が落ちる
「人は血管・リンパ管とともに老いる」
CD40が最後の砦で、これから細胞再生に戻せれば若いリンパ管を保てるが、それを超えると老化・癌化につながり不可逆的なものとなる。
CD40:マルベリーの根が効果あり:資生堂との共同研究→化粧品化されている
サルコペニア・ロコモーティブシンドロームの最前線
フレイル・サルコペニアの病態と予防・治療の可能性
小川純人
(東京大学大学院医学系研究科老年病学 准教授)
介護が必要になった主な原因疾患:認知症、脳血管疾患、骨折・転倒、衰弱、関節疾患
フレイル=虚弱高齢者
筋肉量低下=死亡リスク上昇
サルコペニア・フレイル・ロコモの疫学と予後への影響:ROADスタディ
吉村典子
(東京大学医学部附属病院22世紀医療センターロコモ予防学講座 特任教授)
サルコペニア・フレイル=要介護・死亡リスク上昇