免疫, 慢性炎症, 成分

LPSの経口摂取の有効性


動物は物理的、精神的ストレスによって病気になりやすくなります。

マウスの動物実験で開腹手術によるストレスを与えた後、黄色ブドウ球菌を腹腔内投与すると、開腹手術を受けていないマウスは生存に影響ありませんが、開腹手術を受けたマウスは60%が死亡します。このとき、マクロファージの機能低下がTNF(マクロファージの産出するサイトカインの1種)の産出量により確認されました。つまりストレスがマクロファージの機能を低下させることを示しています。

ここで、手術前にマクロファージ活性化作用のあるOK432を投与すると、手術後のマクロファージの機能低下は抑制され、黄色ブドウ球菌投与による生存率も回復が見られました。このことは、感染症への抵抗力を高めるためにマクロファージを活性化しておくことが重要であることを示唆しています。(※1)

また、ストレスによっても癌の転移が促進されます。開腹手術ストレスを受けていないマウスよりも、受けたマウスの方が高い割合で肺転移が見られました。

しかし、開腹手術前にマクロファージ活性化作用のあるOK432を投与しておくことで、癌の転移は抑制されました。また、OK432は開腹手術の直前ではなく数時間前に投与しておく方が、転移の抑制効果が高いことも確認されたため、マクロファージを活性化させるのには時間を要することが示唆されました。(※1)

このようにストレスと感染症や病気との関連性がわかれば、いかに常にマクロファージを活性化させておくことが重要かがわかります。

マクロファージを常に活性化できる状態にしておくことでどのような効果が期待できるのか見ていきましょう。


高脂血症の改善


高脂血症を自然発症する2羽のウサギにLPSを含む水を自由摂取させると、摂取に伴い、血液中のコレステロール値が下がることが示されました。摂取をやめてしばらくすると血中コレステロール値が上がり、LPS経口摂取とコレステロール値の低下に相関が見られました。(※2)


Ⅱ型糖尿病の発症予防


Ⅱ型糖尿病を発症するマウスに、糖の分解吸収を抑制するサラシア茶、またはLPSを配合したサラシア茶を水に混ぜ、12週間自由摂取させたところ、LPSを配合した方で、摂取期間すべてにおいて血糖値が低く、1,8,12週目では有意に低くなることが示されました。体重変化に差はなく、この実験では、糖の吸収抑制作用のあるサラシアの効果が、LPS配合でより効果的になったことを示しています。(※3)


胃潰瘍の軽減


マウスにLPSを10μg/ml~1μg/ml含む水を3~5日間自由に摂取させた後24時間絶食させ、その後、インドメタシン1.5mgの懸濁液を皮下投与、または水浸拘束ストレスを与え7時間後に胃の胃潰瘍の長さを測定しました。その結果、経口摂取では両ストレスの場合とも、潰瘍の発症を40~50%抑制することが示されました。(※4)


ヘルペス疼痛の緩和


ヘルペス症患者10名にLPSを1μg/ml含む50v/w%グリセロール溶液を1日3~5回、1回1~2ml口腔内に保持してもらい、さらに患部への塗布お行ってもらった結果、10症例中9症例で数日後に痛みが消失または軽減する効果が見られました。(※5)


抗生物質の免疫抑制作用に対する抑制回避効果


抗生物質を飲むと腸内細菌が減少するため、腸管の抗菌ペプチドの産生と感染を防ぐ自然免疫力が低下する。しかし、抗生物質とLPSを一緒に摂取すると、腸管の抗菌物質が誘導され続け、また、自然免疫力も低下しないため、感染症を回避できる。(※6)


癌の化学療法のサポート


マウスにメラノーマを腹腔に接種し、抗がん剤の腹腔内投与あるいはLPS(0.1-0.5mg/kg)の経口投与行った結果、抗がん剤単独よりもLPSとの併用の方が、生存率、生存日数ともに伸びることがわかりました。(※7)


花粉症の予防


あらかじめ花粉症を発症させたマウスに、LPS(酢酸菌由来)配合の水を摂取させた結果、水だけを与えたマウスに比べ、花粉症症状に由来する鼻かき行動が起こらないことが示されました。

また、脾臓細胞の遺伝子発現を調べたところ、花粉症感作によって低下するTh1型サイトカインを発現し、上昇していたTh2型サイトカインの発現が、感作されていないマウスと同程度に維持されていることがわかったほか、IgEレセプターの発現が低下していることがわかりました。(※8)


アトピー性皮膚炎の抑制


アトピー性皮膚炎と診断された患者5例に対し、LPS溶液(10μg/ml)を1日に1ml×3回を飲用してもらった結果、5例のうち4例に皮疹および搔痒感の改善が観察されました。(※9)


中性脂肪低下や骨粗鬆症予防など、まだまだたくさんありますが、以上一例として挙げさせていただきました。



注:記載の「LPS」は全て「パントエア菌のLPS」を指します。(花粉症予防の記述を除く)

参考:自然免疫応用技研株式会社技術資料、LPSの秘密(株式会社ニュートリエントライブラリー)

※1 出典:In vivo, 21(2): 357-364 (2007)

※2 出典:Biotherapy, 5 (4): 617-621 (1991) / Chemical & Pharmaceutical Bulletin, 40: 1268-1270 (1992)

※3 出典:平成19-20年度 香川県:かがわ糖質バイオ発機能性食品開発支援事業「血糖値が気になる人向けドリンクの開発」

※4 出典:Chemical & Pharmaceutical Bulletin , 40 (4): 998-1000 (1992)

※5 出典:Biotherapy, 6 (3): 345-346 (1992)

※6 出典:Lee-Wei Chen, et al., Journal of Biomedical Science 17: 48 (2010)

※7 出典:Experimental Animal, 60 (2): 101-109 (2011)

※8 出典:平成23-24年度 NEDO: イノベーション実用化開発(研究開発型ベンチャー技術開発助成事業)「酢酸菌発酵技術糖脂質製造による花粉症予防素材の開発」

※9 出典:河内千恵・他、食品工業, 54 (2): 52-61 (2011)

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